早急な不審メール報告が被害拡大を抑える鍵!迅速な初動のためにできることは?
これまでに不審メールが届いた経験、あなたにもありませんか? プライベートでも仕事でもメールは欠かすことのできないコミュニケーションツールです。 その一方で、「あれ?なんだか怪しいぞ?」と違和感のあるメールを受信した経験がある方も多いのではないでしょうか。
メールの添付ファイルを開封したことで、ランサムウェアに感染し企業に甚大な被害が出る事例も発生しています。
従業員が不審メールを開封してしまった場合、その被害を最小限にするためにも、早急に社内報告をしてもらうことがとても大切です。今回は開封の有無に関わらず、従業員に不審メールを報告してもらうメリットと、スムーズに報告してもらうための対応策をご紹介します。
不審メールの被害にあうリスクの高まり
フィッシング対策協議会によると、2025年3月のフィッシング報告件数(海外含む)は249,936 件と過去最高の件数となり、不審メールの被害に遭ってしまうリスクは年々高まっています。
2024年には情報・通信業A社でランサムウェア攻撃による情報漏洩が発生しました。 経路などの詳細は不明ということですが、フィッシング攻撃などによるアカウント情報の窃取が原因であると推測されています。
不審メールを開封したことで多大な被害につながるため、企業は早急に事態の把握と対応策を講じなければなりません。 そこで重要となるのが、従業員からの社内報告です。従業員からの早急な不審メール報告が、企業の初動に大きく関わってきます。早急に報告してもらう具体的なメリットをご紹介します。
早急に不審メールを報告してもらうメリット
●不審メールの受信が報告された場合
早期の対応が可能
従業員に届いた不審メールが早急に関係部署に共有されることで、どの従業員に届いているか、開封やクリック等のアクションを取ったかどうかといった不審メールの詳細情報を素早く収集できます。他の従業員が開封する前に、メールをブロックしたり注意喚起して被害拡大を防ぐことができます。
情報を活用できる
蓄積された情報から最新の動向を分析したり、実際の攻撃メール事例として社内教育の際にも活用できます。関連会社とも情報を共有することで、被害を未然に防ぐことができます。また、メールシステムの迷惑メールフィルターの改善に役立てることができます。
従業員のセキュリティ意識向上
従業員が積極的に不審メールを報告することで、セキュリティ対策の意識向上が期待できます。
●添付ファイル開封やリンククリックが報告された場合
迅速に対応できる
不審メールに添付されたファイルの開封や本文内のURLのクリックは、マルウェア感染や情報漏えいの原因になる可能性があります。 そのため、開封が判明したら速やかに報告してもらうことが重要です。 迅速な報告により、早急な隔離や対処が可能となり、二次被害の防止につながります。 さらに、ログ解析や端末のスキャンなどの具体的な対応もすぐに開始できます。
初動がカギ!不審メールをすぐ報告してもらう工夫
不審メールをすぐに報告してもらうには、報告手順をわかりやすく示し、誰でも気軽に報告できる仕組みを作ることが重要です。 報告してもらうための4つのポイントについてご紹介します。
①シンプルでわかりやすい報告の仕組みを作る
不審メールを受信した/ファイルを開封した/リンクをクリックしたといった行動を取った際に、どのように社内に報告するのかが明確でないと報告することへのハードルが高くなります。
報告方法としては口頭や電話での受付、メールや通報用フォームの受付といった方法がありますが、いずれも報告方法を仕組み化しておきましょう。また、報告する際の報告先や報告内容についても明確にしておきます。従業員にとって、報告ルールがシンプルでいかにわかりやすいかという点をふまえて策定しましょう。
②報告フローを浸透させる
報告方法が社内で周知されていないと、どんなにわかりやすい仕組みであったとしても報告までに時間がかかってしまいます。
- 従業員全員が使用するシステムやアプリ上で共有する
- 全体会といった集まりで説明する
- 各部署ごとに説明する
- 社内の掲示板などに貼り出す
上記のような機会を設けて、もれなく従業員全員が報告フローを把握できるようにしておきましょう。
③不審メールを開封した従業員を怒らず、報告したことを評価する
不審メールを報告した従業員に対して「なぜファイルを開封したのか」と叱責するのはやめましょう。報告すると怒られる、自分がミスをしたとマイナスな評価をされてしまうという意識が会社全体に広まると、不審メールの報告がされなくなってしまいます。 不審メールを報告することは評価されるべきこと、褒められることだと、②のような従業員に報告フローを説明する際にしっかりと伝えるようにしましょう。
④社内訓練を実施する
どれだけ「不審メールを報告してください!」と呼びかけても、不審メールだと気づかなければ報告はあがってきません。「このメールは怪しい」と不審メールを疑う意識を日頃から持ってもらうためには、社内訓練が有効です。 いざという時のための実践的な教育によって、怪しいメールかなと疑うセキュリティ意識を持ってもらい、報告する習慣づけを行っていきましょう。報告を習慣化するためには、社内訓練は1回で終わらず複数回実施することが有効です。
訓練では報告率を意識する
社内訓練ではまずは開封率に注目しがちですが、報告率も目標値を設定して確認していきましょう。訓練におけるメール開封率と報告率についてはこちらの記事もご参考ください。
▼標的型攻撃メール訓練-上級編-:開封率の維持と通報率100%を目指して
まとめ
不審メールはどれだけ対策しても開封ゼロを徹底することは難しく、いかに早急にそして正確な情報を報告してもらうかが重要です。口頭や電話での報告は、必要な報告事項が漏れないように注意が必要です。
Selphishではユーザーが不審なメールを簡単に報告でき、報告状況を評価できる「不審メール報告機能」を提供しています。
不審メールに従業員がいち早く気づき、すぐに報告できる習慣作りと、報告してもらうための仕組みが被害を最小限に抑えられる鍵となります。不審メールの対応策を検討する上で本記事がご参考になれば幸いです。
メール訓練のノウハウと
効果的な進め方教えます
